■ 抄録・要旨
| 昨年度の本大会で、ホウレンソウは、気孔密度の高い品種ほど、オゾンに対する感受性が強く、葉に被害が発現されやすいことを報告した。一方、最近、オゾンの可視被害は、栽培時期により発現状況が異なることが示されてきた。そこで、今年度は、オゾン暴露試験のデータに基づき、栽培時期の異なるホウレンソウのオゾン被害発現状況と気孔密度との関係について検討した。
オゾン被害の発現状況は、4月と5月の暴露試験で被害度が大きくなる傾向を示した。また、気孔密度も、4月と5月の暴露試験に用いた各品種の個体で高くなる傾向を示した。各時期のオゾン暴露試験について個別に見ると、特に4月と5月において、被害度と気孔密度との間に高い相関が認められた。このことから、特に各品種の気孔密度が高くなる春の栽培時期においては、気孔密度の高低がオゾン被害の発現に強く関与することが示唆された。
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